1日にして成らず

畑も1日にして成らず。

森には森の土があり畑には畑の土があって、森の土では畑の作物はうまく育たなく逆に畑の土で森の樹は育たない。

耕作放棄地から初まった自分たちの畑は雑草の種もまだ多く残ってたり、虫も多く住みついていたりまだまだ森と畑の土の間といったところでしょうか。

3年間少しずつ管理を続けて畑の土に育て、ようやく作物もきれいに育つようになってきました。

これからは堆肥を入れたり緑肥を育てたりして土を育てていくのですが、これもまた1年やそこらで完成するものではなく、熟成されたワインのように何十年も何百年も少しずつ積み重ねて仕上がっていくものだと思っています。

そのためにも何代にも農地を守り繋いでいくことが大事なんだと思うんです。

化学汚染で農地が砂漠化し失われていく問題を解決するためにも、化学に頼らず生産ができる努力をしていきたいです。

気付いていないだけで世界は美しい

台風14号の進路はさすがに正気では居れなく5分おきにWindy開いたり、ウェザーニュースで風速見たりソワソワしています。

朝から畑に出向いてハウスの屋根を開くか閉じるかだけで昨日も迷いに迷いました。閉じれば病気のリスクは減るけどハウスがやられるリスクがあるし、開ば病気からは守れるけどハウスがやられてしまうリスクがある。

ギリギリまで待って今回は雨が多く風が弱い台風だったので開くことにしました。被害が少なく済みますように。

こんな生業なので毎日1分1分大事な判断に迫られる。防除のタイミングに播種のタイミング、除草のタイミング、肥料のタイミング…

初めからできることはなくて、長い年月をかけて向き合ってきた経験が活きて頼りになってくるんですよね。

そんな終わりのない旅なんです。

さて、こんな土砂降りじゃ作業も進まないので事務仕事を片付けて読みたかった本に目を通しております。

今回の「現代農業」は僕にとって神回。

忙しくて全然意識してなかったんですけど、農文協の方から電話があり真っ先に買いに行きました。(笑

自分の知っている土のことがもっともっと深いものになって、単純だった世界がどんどん、どんどん面白くなっていく。

やっぱり自分はこの職業が好きなんだと思います。

歯車

着想から4年近くかかったパッケージがやっと完成しました。(なかなか慣れもんで)

amenimomakezu.のイラストは名古屋で活動されているJURI KATOさんにお願いしました。

JURIさんの作品は色も好みで、受ける印象が素朴というのか欲がないのか嫌味がなくスッと入ってくるんですよね。

いつ見ても飽きが来なく、いつも新しい。

そんな普遍性にも思えるところが好きなんだと感じているんだと思います。

デザインはいつもお願いしているLamp:07さん。難題のアートの作品さえいつも上手にまとめてくれるんです。(本当助かってます。)

シール会社の丸信さんも「オリジナルに近づけられるようにできる限りやってみますね」といつも努力してくれるんです。

包装紙も伊豫田包装店さんが星の数ほど商品の中から探してくれるんですよね。

そんな想いが詰まったパッケージになっています。

こんな方々と仕事ができる環境は自分にとっては当たり前ではなく宝です。

空回りしていた歯車も力になってくれる人たちと噛み合うことでエネルギーに変わっていくんです。

失うことさえしなければ、

無花果の初収穫。もうかれこれ、どれほど月日を費やしていたか。

天災に人災に色々ありましたけど、ひとつひとつ克服して乗り越えたことは生産者としても人としても成長することができました。

逆に天災に人災と遭う事もなくうまくいっていたら、成長は無く、もし何かが起こって対応できない人間になっていたんじゃないだろうかとも考える事もあります。

しかしここはゴールではなく、

これからも自ら掲げた「よりよい社会を未来に遺す」に向かい行動あるのみ。

次の歩みは無花果の環境再生型農業という目標に向かって取り組んでいきます。

まだまだ道半ば、

失うことさえしなければ夢は叶う。

地中海トマト

去年いろんな品種の育成と食味のテストをして、パイオニアエコサイエンスさんの地中海トマトがずば抜けて良かったので高コストでしたが今年導入しました。

しかし、去年テストした苗に「かいよう病」を保菌した苗を植えたみたいでどうも土ごとやられたみたいで。今年ほとんど壊滅しました。

その中でtm-2という台木に接木されていたプリンセスロゼだけはピンピンしており、なんとか救われた結果になりました。

(樹勢が強く食味が良いという、なんて優等生なんでしょう。)

土の病気はほんと恐ろしいという経験をしました。

処方としては土壌消毒剤や太陽光消毒なんですが、根治は難しく、しかも良い菌まで殺してしまい悪い菌ばかり繁殖してしまうんです。この悪循環が土を殺してしまう原因になって行き着く果ては農地砂漠化なんです。

研修時代、先生が苦しんでいたのを思い出します。

露地栽培でどうしても作付けする場合は毎シーズン圃場を変えていくことでしょうがなかなか設備が追いつかないなどネックですし、今現在技術としてはハウスで毎年使い捨ての簡易的な土(ポットのでっかい版)で育てるのがありますが。高コストでおいしさは、、、

この事は長い年月研究機関が日々努力しており、最近アミノ酸の「ヒスチジン」をトマトに与えると本来植物が持つ病害抵抗性を高めることができるとわかってきたんです。

つまり、アミノ酸を施すことで肥料の効果も得られ、同時に病気の防除にもなるのです。

今回の経験はこれからの自分たちが目指す環境再生型農業の核になっていくんじゃないか?と貴重な経験になりました。

アミノ酸をたっぷり与えたトマトは旨味もたっぷり

雨で弾けたトマトをトマトソースに。

ちょっと余った残りをカプレーゼに。

シンプルなのにおいしいですよね。(僕は更にリッツに乗せておつまみにします)

この時期に嬉しいおいしい酸味。食欲の助けになります。

今回の秋雨の停滞前線は正直不安がよぎります。少しでも被害が少なく済みますように。

amenimomakezu

研修から13年、定植から4年…

ようやく自分たちだけの力で収穫できるようになりました。

思い返せば壁の連続で、ひとつひとついろんな方たちの力を借りて乗り越えてきたんですよね。

壁を乗り越えていくたびに、それが自分の成長に繋がってきたことは価値があることでお金では買えない経験だったんだと思います。

まだまだ課題も残る結果ですが、これからもBESTを尽くしていけたらと思います。

熟成 インカのめざめ その1

まだまだ人気が衰えることのない「インカのめざめ」

栗の風味に、鮮やかな黄色い果肉。

今年は梅雨が早く訪れ、収穫遅れでダメになっちゃうかな?なんて予想していたんですが、雨に土が流されることもあったんですが病気にもかからず耐えてくれ梅雨の晴れ間に収穫することができました。

いつもは梅雨前に収穫するのでデンプンが乗り切れなかったりするのですが、今年のは収穫を長く引っ張れたのでデンプンもかなり乗り結果で見れば良い結果になりました。

きれいに選別し、いざ冷蔵庫へ。

0℃前後の温度で3ヶ月…

凍らないようにデンプンを糖に変えていくのです。

着手から6年近くでようやくここまで。

形にするというのはエネルギーがいるものですね。コンビニやスーパーでパッケージされた製品を見るたびに凄いななんて感動するんですよね。

環境再生型農業

環境に対して自然栽培より優しい農業が存在する。

それが「環境再生型農業」であり、

代表なものがpatagoniaのクラフトビール「Long Root」である。

どういうことなのか?とシンプルに説明すると、

このビールに使われている麦を栽培すると、植物の光合成の働きにより大気中の二酸化炭素を土に還してあげることができ、何よりビールがおいしくなる!(ココトテモダイジ)

この農業は世界中の研究機関、大学で開発が進んでいるそうです。

現在、環境に対する悪影響を無くしていくだけの「環境保全型農業」に取り組んでいる自分たちにとってはすごい世界だと感嘆するんですよね。(マジスゴイッス)

日本の農業もいろいろ進歩しており身近の先輩もCO2(二酸化炭素)を栽培に使用しており、

いま社会は脱炭素に向け二酸化炭素を地中に埋める技術などに投資も行われている。

これからの自分たちの進むべき道は、この脱炭素に向けて二酸化炭素を消費する先を農業に変えていくことに舵を取っていければと思っています。

BT剤

天敵微生物を利用した生物農薬のこと。

「バチルス・チューリゲンシス」という細菌を葉に散布し、その細菌がチョウ目やハエ目、コウチュウ目のおなかにあるアルカリ性の消化液で分解されると毒素に変わり激しい腹痛に襲われ食べなくなる仕組みである。

虫の抵抗性が出ず、残効性も長い。

ハチや魚類にも影響なく、もちろん私たちが食べてもなんの問題もないというなんとまぁとても優秀な農薬である。

また殺菌剤としても何種類か製品化されており、このマスターピースは厳密には菌は殺さないのですが、バイオフィルムという膜をつくり細菌や菌の侵入を防ぐといった仕組みで、

もちろん環境に影響はなく、私たちが食べてもなんの問題もない。

桃の大敵である「せん孔細菌」に有効であり、銅が薬害で使えない生育期にとても活躍してくれる菌である。

現在の薬品メーカーの考え方も時代に合わせたものをと製品化に尽力されており、今(これから)の考え方はこのBT剤を基本に必要な農薬を組み合わせていくことが防除の基本になっていくとのことで非常に共感でき取り組んでいくことにしました。

もう長崎の枇杷のような光景を見たくはない。抵抗性の問題を克服しつつ環境も保全していきたい想いです。

「沈黙の春」何度読んだことか、

カーソンも「べつの道」にBT剤のことを書いており、昭和49年の発行から現在までの月日の時間で人類は形にしてきたのかと思うとその努力はすごいと思うんですよね。

コロナもきっと乗り越えられる。

そしてこれが偉いことではなく、自然や環境に対しての謙虚の上で。

窒素に代わるもの

病害虫を引き起こす原因のひとつとして「硝酸態窒素」があります。

「窒素」は3大栄養素のひとつで主に葉や枝、幹などが大きくなるのに必要な栄養素で大気中など様々なところにありグルグル地球を循環している物質である。

土の中の硝酸と結合しやすく「硝酸態窒素」の状態であれば無限に植物に取り込まれる仕組みが自然界にあるので、これが収量を上げるために利用されている。※人間には有害でありヨーロッパでは含有量に制限があります。

この窒素が栄養として使えず溜まっていくと、虫が吸いに来たり病気を引き起こしたりするんです。食味としてもえぐ味が表れます。(人間で言うところの肥満になり病気になると例えるとわかりやすいかも。)

これを踏まえ、どうすれば病害虫を減らし生産性を上げるにはどうすれば良いか?を常に考えます、

ひとつは「硝酸態」ではなく「尿素態」「アンモニア態」で取り込めれば良いのです。

「尿素態窒素」も「アンモニア態窒素」も植物が取り込む量は有限であり必要な分しか取り込まない性質があるのです。

しかし先ほどにも述べたように「硝酸」と結合しやすいためコントロールが難しい。

このため方法として「液肥」で施肥しています。とにかく少ない量を、なるべく回数を多くして。

そして今回の題材にあるように窒素に代わる「アミノ酸」を施肥しています。

まだまだあまり資料も少なく新聞で研究していると記事で見かける程度ですが、資材も出回っているので今回試みようと導入しています。

アレッタ、レタス、人参、馬鈴薯と使っていますが今のところ順調で、課題であった病害虫の発生は見られず作物の成長も適度に生育しています。

味も良く、香りも良い。(これ大事)

経費の面も低コストである。(これ特に大事)

IPM(総合的病害虫管理)の観点からもまずは原因を克服することが初めの一歩のように思える。