「樹」というものは本当に面白い。

剪定をしている時、よくそう思います。

先端や株元に近いところ、剪定をした切り口からはとても強い枝が例外なく出る。

そして太陽に向かって少しでも多くの光を取り込もうと伸びてゆく。

「種(シュ)」を残すために樹そのものが大きく強くなるために本能がそうしている。=栄養成長

また、弱い枝からは次の世代のために生きる力を使う。これも「種」を残すために本能がそうしている。=生殖成長

果樹農家は皆この本能をよく利用して生産に日々励んでいます。

各農家がこの組み合わせと経営をにらめっこさせて、どの方法が良いか日々研究する。これが生産者で品質が大きく変わる一因のように思うんですよね。

自分たちはというと、「おいしさの理論」に基づき弱い枝、弱い枝と選んでいきおいしい果実の実りをただただ目指していく。

実りまでの長い間、どんな味がするのだろうと妄想しながら。

コンフューザーMM

「性ホルモンの特異的作用によって対象病害虫の交尾を連続的に阻害し、害虫の発生を抑制することを目的としています。」

とパンフレットから抜粋。

いろいろと私たちの生活もハイテクになっている裏側で、農業の世界もどんどんいろんな技術が取り込まれているわけで、

パリ協定発効により、世界中が温暖化対策に舵を取り、多くの企業がカーボンゼロへの取り組みに投資する第4の革命と呼ばれる時代に入り、

日本の農業もまた「みどりの食料戦略策定」により2050年までに有機農業を全農業を25%に広げることを目標にすると新聞の見出しにもありました。

有機農業といえば具体的には「有機JAS」に認可されている農薬や肥料を使用し生産し、周囲の生産状況や土壌も検査されそれが全て通ったものを指します。

この有機JASの農薬というものが有難く微生物を利用したBT剤だったり、石灰に硫黄、重曹など天然物だったりと安心して使用できるもので構成されています。

そして今の慣行栽培(一般的な農業)はこの有機JASの栽培が基本にあり、防除が困難でどうしても必要な農薬などを組み合わせたものが普通になってきています。

薬品メーカーも時代に合わせたものをと、環境(魚類、ハチなど)に影響が少ないものをと日々研究しているのが現状なのです。

この社会の動きには大いに感動し、僕自身も柔軟に理解し取り入れています。

まあそれでも中には劇薬に扱われているものもあるのでそれは代わりになるものを使用しています。

コンフューザーもまたそんな時代の技術の一つで、生産をする上での害虫のみに影響する必要最低限のもので環境にやさしいものになります(財布には厳しいですよ!とほほ…)

そんな世の中の流れと自分の目指しているものが重なっている良い状態に今あるようです。

こんな世の中になっている姿を司馬遼太郎さんに知らせてあげれたらいいのにな。

ゴールデンピーチ

猿投の桃で好きな品種を一つ選べと聞かれたら真っ先に「ゴールデンピーチ」と答えると思います。

黄桃系で9月頃に出回る晩成の品種で追熟までできるという理想的な性質があるのが特徴と言っても良いのではないでしょうか?

とにかく美味しく。6月からいろんな品種をリレーで食べつないでどれが良いかなんて話なんかしているとなんだかんだゴールデンピーチなんて話になるんですよね。

一般的に出回っているゴールデンピーチは「黄金桃」と一緒にされるんですが実は全く異なるもので、一般の苗木屋さんでは買えなく、JAでお願いしてから苗を作ってもらうという購入までにも2年かかってしまう途方にもない一面もあるんです。

受け取るまでの間、植え付ける畑の方も時間や手間をかけて準備。

これから3年間ありったけの想いを詰めておいしいものが届けられるように励んでいきます。

環境保全型農業も資材が揃い順調に取り組んでいけそうです!

4年目の春

2017年の12月に植えた桃「白鳳」

無肥料で今年6年生にして枝が充実してきました。近隣の慣行の栽培と比較して1年遅れぐらいの差でした。

苗からは未だデータが無く難しい挑戦でしたが、確かにここにあります。

行政からの圧力も大きく大変でしたが芯を貫いてきてよかった。

ただ、土地の条件で何かしらの原因で成長が遅い箇所もあり、この部分に関しては原因の解明と対策が必要で、もし腐植が少なかったりどうにも痩せている場合は堆肥や有機質の肥料の施用が必要かなと思います。

草をボーボーにして地力を上げてあげるのも有効な手段ですが、隣に迷惑をかけない程度に。

そして、原因は定かではありませんが「カイガラムシ」の被害が50本ある内1本だけという結果も得られました。おそらく窒素肥料が少ないためじゃないだろうか?と妄想しております。

無肥料は理論どおり農薬の量と散布の手間は大幅に削減できる。その年の気象と虫の発生数に応じて対策していけば生産ができます。

何がともあれこれからいろんなデータが取れていくのですが生産と経営の側面から見た場合、超長期の計画であれば成り立つのではないかと思っています。

今年の豊富として自然栽培を基礎に微生物資材やアミノ酸、とうもろこし抽出成分に酸素と葉面散布による補助肥料といった花蜂や魚類など生態系に影響がなく、土の持続可能性を前提にした環境保全型農業(ナチュラルベース)の実践にエネルギーを注いでいきます。

つまり、おいしさそのままでたくさん収穫できる!ということです。

春爛漫

今年もこの時期が来ました。

菜種梅雨の影響も大きくはなく、美しい花を残してくれました。

猿投の桃は今受粉作業の真っ只中です。

樹もずいぶん成長したので今年は収穫しようと思っていたのですが、来年までもうちょっと樹を大きくしたいので今年はお預け。

今年のうちに野菜やイチジクを整えたいというのもあり、そう判断しました。

志村さんがプロは準備のプロでもなくてはならない。

とおっしゃっていたのが頭を巡ります。

これでもかと就農前から走り続けてきて、まだ準備不足の部分が多い。

当時見えていなかったこともあるんですが、ここにきてそう思います。

ここからの景色はとても好きです。

とても好きで見てもらうことは嬉しいのですが、写真を撮りに来て畑に無断で入ったり樹を荒らしたりする光景が目立ちます。

農家の皆さんが生計を立てていく樹です。

お互いが気持ちよく暮らせるよう最低限のマナーを守りいただくようお願いいたいます。

師走に入り、桃の樹も葉が落ち休眠期に入りました。

この時期に入ると…「注文していた苗が届いたよ〜」っと電話が来るんです。

早速、取りに行って傷など確認して傷があるところは手当てしてあげて植え付けです。

今回は、「甘甘燦燦」と「黄ららのきわみ」というちょっと特別な苗を割り当ててもらえました。

秋頃の晩生のため難しい挑戦になりそうです。

まずは白鳳と日川白鳳の秀品が上手に採れるように腕を磨かなきゃ!

来年には猿投の桃「ゴールデンピーチ」もたくさん植え付けです。

一方…

黄かぶのピクルスも漬け始めました。

ピクルスシリーズも好評で「茗荷」と「きゅうり」の手持ちは完売いたしました。

冬は「黄かぶ」と「フェンネル」と続きますよ!

ピクルスシリーズもお楽しみに〜!