丁寧な仕事の美しさ

農業を立ち上げてきて、いろんな方と仕事をさせていただく機会が増え多くのことを学べる大切な時間になっています。

今回サバドさんに描いてもらったイラストたちを額に収めたいと思い、Lamp:07さんに木製フレームの製作をお願いしました。

「ナラ」「タモ」から「ヤマザクラ」「ウォールナット」「ホワイトオーク」ときて今回初めての「セン」と様々な樹種の木材での製作になり佳き佇まいに収まりました。

いつもこの丁寧な仕事に魅入ってしまうのですよね。

同じようなものに見えてどうしてこんなに印象が違って見えるのだろうか?

この部分が好きなんです。

自分たちの園芸の仕事もひとつひとつ丁寧を目指していけたらと思います。

IPM 総合的病害虫・雑草管理

なにやらまたムズかしいそうな文字がならんでおります。。

以前からちょこちょこと紹介している雨除けハウスだったり、コンフューザーだったり、防虫ネットだったり、BT剤だったり、、

薬剤だけではなく、いろんなものを組み合わせて総合的に病気や虫、雑草などを管理してゆく農業の考え方で、今普及している慣行農業はこのIPMを多く取り入れており自分もこの考えはとても素晴らしいと思い今日も取り組んでいます。

営業もほぼなくなり、母の手伝いもあったり少しずつですが畑にいられる時間も増え、今まであまり手を加えてあげられなかった「技術」に力を注いであげられるようになりました。

今は毎日が楽しい。なかなか雑務などで畑に行けない時間が一番悔しかった。

今までは起業までの運びなぞを綴っていましたが、これからは農の世界を少しずつ記していけたらと思います。

「樹」というものは本当に面白い。

剪定をしている時、よくそう思います。

先端や株元に近いところ、剪定をした切り口からはとても強い枝が例外なく出る。

そして太陽に向かって少しでも多くの光を取り込もうと伸びてゆく。

「種(シュ)」を残すために樹そのものが大きく強くなるために本能がそうしている。=栄養成長

また、弱い枝からは次の世代のために生きる力を使う。これも「種」を残すために本能がそうしている。=生殖成長

果樹農家は皆この本能をよく利用して生産に日々励んでいます。

各農家がこの組み合わせと経営をにらめっこさせて、どの方法が良いか日々研究する。これが生産者で品質が大きく変わる一因のように思うんですよね。

自分たちはというと、「おいしさの理論」に基づき弱い枝、弱い枝と選んでいきおいしい果実の実りをただただ目指していく。

実りまでの長い間、どんな味がするのだろうと妄想しながら。

コンフューザーMM

「性ホルモンの特異的作用によって対象病害虫の交尾を連続的に阻害し、害虫の発生を抑制することを目的としています。」

とパンフレットから抜粋。

いろいろと私たちの生活もハイテクになっている裏側で、農業の世界もどんどんいろんな技術が取り込まれているわけで、

パリ協定発効により、世界中が温暖化対策に舵を取り、多くの企業がカーボンゼロへの取り組みに投資する第4の革命と呼ばれる時代に入り、

日本の農業もまた「みどりの食料戦略策定」により2050年までに有機農業を全農業を25%に広げることを目標にすると新聞の見出しにもありました。

有機農業といえば具体的には「有機JAS」に認可されている農薬や肥料を使用し生産し、周囲の生産状況や土壌も検査されそれが全て通ったものを指します。

この有機JASの農薬というものが有難く微生物を利用したBT剤だったり、石灰に硫黄、重曹など天然物だったりと安心して使用できるもので構成されています。

そして今の慣行栽培(一般的な農業)はこの有機JASの栽培が基本にあり、防除が困難でどうしても必要な農薬などを組み合わせたものが普通になってきています。

薬品メーカーも時代に合わせたものをと、環境(魚類、ハチなど)に影響が少ないものをと日々研究しているのが現状なのです。

この社会の動きには大いに感動し、僕自身も柔軟に理解し取り入れています。

まあそれでも中には劇薬に扱われているものもあるのでそれは代わりになるものを使用しています。

コンフューザーもまたそんな時代の技術の一つで、生産をする上での害虫のみに影響する必要最低限のもので環境にやさしいものになります(財布には厳しいですよ!とほほ…)

そんな世の中の流れと自分の目指しているものが重なっている良い状態に今あるようです。

こんな世の中になっている姿を司馬遼太郎さんに知らせてあげれたらいいのにな。

春の準備

今年はダブルで!ってなんの話かと言うと、

ナスとレタスの畝に設置する灌水の数のことで、去年は時間も無かったので1本のシングルでたくさん水をやれば間に合うだろっと施工して1年通してみましたらなんの全然水が行き渡らないでわありませんか!

マニュアル通りにやれば良かったと思った時には後の祭りで、やり直しも他の収穫などもありできず。

と言うことで今年は昨年の反省を活かしダブルで施行することに。

就農も4年目に入り作業にかかる時間も把握できるようになり、段取りや作業を行う時期やタイミングも管理できるようになり今年はすごぶる順調に進んでおります。

タネをまく日などは自然に合わせないと良いものができず、長年の課題でした。

この作業の管理での品質の向上をテーマに今年は整理していきます!

春になり貝類やホタルイカなどの海の幸が市場に出回り始めましたね。

そんな時期に菜花があればいいなっていつも思うのですが菜花は終盤の時期に入り長い時間重ならないんですよね。

と言うことで、「アレッタ」の栽培時期をズラしました。

アレッタ?ってあまり聴き慣れない品種ですが、ブロッコリーとケールを掛け合わせた品種で、なんとイタリアではなく三重県生まれ!

ほろ苦く甘く、使い方もブロッコリーとほぼほぼ同じですし、菜花などの花野菜のような使い方もできるんですよ!

この季節重宝しそうです。

プラウ耕

プラウ(plow(英))=耕起する農具

とありますが、深い地層を耕すことを指すことが一般的に使われているプラウ耕。

深いところにある硬い層を砕き、空気を取り入れ土の環境を好気的にし、排水性をよくすることで病気の感染を減らし、成長を促す。

使いたい技術というのは山ほどあるんですが、なかなかコストの面だったり、実際に入手するのに難しかったり(取り扱いや、設置、法律などなど)

そんな中、展示会というのは情報収集するのに格好の場でいろいろな条件をクリアするのにノウハウを兼ねた人たちがわんさかいるわけで、

とりわけ自分は、収穫する機械や定植する機械など楽をするためにいかに安く済ませるかを情報収集したりするわけです。

やっぱり餅は餅屋で、実際に本当に必要かどうかもよく把握しており、時折まったく必要のないということもコソッと教えてくれたりするものである。

ある日の展示会では自分が所持しているトラクターでできることや今後の買い替えなどの相談をしていて、

「プラウ耕」を定期的にやりたいんですが今のトラクターは馬力が少ないのですが買い替えですか?と尋ねたところ、今のトラクターに合わせたアタッチメントを紹介してくれ、実際の自分の畑で使用できるかデモンストレーションして確認。

いや〜頼もしいぃぃぃぃ。

品質の良いもの収穫できるように少しずつ備えて成長していけたらと思います。(一気にやりたいんですが、やっぱりこういうものは時間がかかるものですね。)

デザインや設計の先生は?と聞かれたら真っ先に「デザインあ」と答えるでしょう。

先日、豊田市美術館で開催されている「デザインあ展」に行って参りました。

作品の中、テレビの中に入ったみたいでいつもソワソワしている自分の好奇心もピョンピョン飛び跳ねていました。

ゴールデンピーチ

猿投の桃で好きな品種を一つ選べと聞かれたら真っ先に「ゴールデンピーチ」と答えると思います。

黄桃系で9月頃に出回る晩成の品種で追熟までできるという理想的な性質があるのが特徴と言っても良いのではないでしょうか?

とにかく美味しく。6月からいろんな品種をリレーで食べつないでどれが良いかなんて話なんかしているとなんだかんだゴールデンピーチなんて話になるんですよね。

一般的に出回っているゴールデンピーチは「黄金桃」と一緒にされるんですが実は全く異なるもので、一般の苗木屋さんでは買えなく、JAでお願いしてから苗を作ってもらうという購入までにも2年かかってしまう途方にもない一面もあるんです。

受け取るまでの間、植え付ける畑の方も時間や手間をかけて準備。

これから3年間ありったけの想いを詰めておいしいものが届けられるように励んでいきます。

環境保全型農業も資材が揃い順調に取り組んでいけそうです!

4年目の春

2017年の12月に植えた桃「白鳳」

無肥料で今年6年生にして枝が充実してきました。近隣の慣行の栽培と比較して1年遅れぐらいの差でした。

苗からは未だデータが無く難しい挑戦でしたが、確かにここにあります。

行政からの圧力も大きく大変でしたが芯を貫いてきてよかった。

ただ、土地の条件で何かしらの原因で成長が遅い箇所もあり、この部分に関しては原因の解明と対策が必要で、もし腐植が少なかったりどうにも痩せている場合は堆肥や有機質の肥料の施用が必要かなと思います。

草をボーボーにして地力を上げてあげるのも有効な手段ですが、隣に迷惑をかけない程度に。

そして、原因は定かではありませんが「カイガラムシ」の被害が50本ある内1本だけという結果も得られました。おそらく窒素肥料が少ないためじゃないだろうか?と妄想しております。

無肥料は理論どおり農薬の量と散布の手間は大幅に削減できる。その年の気象と虫の発生数に応じて対策していけば生産ができます。

何がともあれこれからいろんなデータが取れていくのですが生産と経営の側面から見た場合、超長期の計画であれば成り立つのではないかと思っています。

今年の豊富として自然栽培を基礎に微生物資材やアミノ酸、とうもろこし抽出成分に酸素と葉面散布による補助肥料といった花蜂や魚類など生態系に影響がなく、土の持続可能性を前提にした環境保全型農業(ナチュラルベース)の実践にエネルギーを注いでいきます。

つまり、おいしさそのままでたくさん収穫できる!ということです。

堆肥

毎年行っている土壌診断は無施肥だったにもかかわらずほとんど施肥を必要としないほど肥えておりカリに関しては「減肥してください」なんて書いてあるくらい。

しかし、、、どんだけ肥えていてもこれがないと意味ないでしょ!?的な成分が「腐植」であり、なんとそれが低い。

腐植の役割はとても重要で中でも保肥力には欠かせないので、どれだけ肥料を撒いても腐植が無ければ流れていってしまうんです。

その腐植を増やすために必要なのが「堆肥」である。(有機物を微生物が分解する時に発生するので、厳密に言えば何もしなくても賄えますが時間と質量がかなりかかります)

畜産において日々排泄される糞尿。これらを発酵させてつくるものが「堆肥」

しかし、時間が無く日々を追われている農家に堆肥をつくっている時間なんてものは無くおまけに場所もお金もかかるとくるものですから、普通は糞尿状態の一次発酵のものを園芸農家に売るのが無常にもいつも自分が見てきたことであり、未完熟の堆肥は土の中の微生物の環境を悪化させます。(発酵途中の納豆やヨーグルトを食べた後の腸内を想像ください。)

木村さんの木村式自然栽培の要領の1項目に「アースジェネター堆肥」というものがあってその堆肥が欲しいと思いたちアース技研に質の良い堆肥を探しているんですがと電話したんです。

そしたら、即答で「豊田畜産」の堆肥が良いですよと担当者から返答がありホームページで調べたりなんやらしているうちに一度見てみたいと思い行ってみることにしたんです。

空調のなどの手の行き届いた畜舎。他の畜舎に比べて臭いがとても少ない。

健康な牛たち。接しているとなんだか心が洗われます。

仕入れ業者もしっかり管理された飼料。

とにかくすごい。同じ農業経営者として気になるのは、これだけこだわって採算が合うのか?ってところでどうしても聞きたかったのでそーっと伺ってみたら、

「初めは空回りだったんですが、今では採算が取れるようになりました。」

…経営者としても素晴らしい。

堆肥がつくられている場所へ移った第一印象は設備が充実している。すごい高そう。。

それからいろんな話をしながら一通り見学

「堆肥は造りは仕込みが大事」とまるで杜氏が日本酒を仕込むようなそんな。

一次発酵と二次発酵で10ヶ月の時を経た堆肥はどの状態でも香りが良い。

(発酵と腐敗は似て非なるもので、腐敗すると腐った臭いがしてとても嗅げるものではありません)

当然これだけこだわった堆肥を使わずにいられなく即お願いすることに。

しかしこれだけこだわっていると堆肥部門は赤字なのでは?と伺ってみると「そうです。ですが肉牛の方で賄えています。」

と、、、やっぱり。でもどうしてと?話を続けていくと、

「日々溜まっていく山積みになった未完熟の堆肥を見てどうにかしなくてはと思い始めました。」とおっしゃってくれて僕はとても素晴らしい人に巡り合えたと何かに感謝しました。

もう始めてから15年くらいでしたか経つそうで、この堆肥を使いたい園芸農家が増え今では堆肥造りの材料である糞尿が足らず他の畜産農家から仕入れているまでになっているそうです。(またしても感動)

「(微生物だったり)いろんなものが詰まっているのがいいんですよ」

と堆肥を見つめ語ってくれた姿が今でも忘れられません。こんな堆肥に出会えて幸せものです。

農園の枠を飛び越え社会という枠の中でサスティナブル(持続可能性)と環境保全型農業という循環の実践に向け取り組んでいく。

これが未来に向かっていくこれからの自分たちのテーマだと思っています。

いちじくの雨除けハウス

夢にまで見たいちじくの雨除けハウス。

水は大好きだけど、雨は嫌いといういちじくの性格を克服した設計で、

・雨の時だけビニールを広げて雨を防ぐことができ、普段は畳んで仕まうので露地栽培のおいしさはそのままで安定した高い秀品率を維持できる。

・水は灌水施設を配管し水分要求量に応えることができる。

・台風被害が多いハウスですが、ビニールを畳めば骨材だけになるのでハウス被害が無くなる(その場合果実には被害があります。泣)

・露地栽培のいちじくはものすご〜く手間と時間がかかる支柱の設置や傘掛け作業があるんですがそれが無くなる。

・ハウスの周りに防虫ネットや農薬飛散防止ネットなどネット着けられる。

などなどメリットがとても素晴らしい愛知県の技術なんです。

ただ特殊なゆえ高い…資材費と工賃。

なのでいろんな機関が推奨しているのは組み立て部分の自己施工なんです。

骨組みは水平のレベルを出すこと以外は特に技術は必要ない組み立てだけなので時間と道具があればできるんです。

ただ一人では大変なので、昔一緒に働いていた先輩たちにお願いして一緒に組み立てることに!この時間はなんだか懐かしく、愉しく、そして一緒に学んでいくとても有意義な時間になりました。

とても面倒な作業だったんですが、ひとつひとつの部品をしっかり組め、とても良い仕上がりになりなんと職人さんに褒められたんですよ〜!

惰性的でなんの価値も見出せなかった工場での経験だったんですが、体が勝手に技術を覚えていました。笑 こんなところに返ってくるんですね。。。

また雨除けハウスはいちじくだけではなく野菜にも応用していけるので、少しずつ増やしていく予定です。

「未来」があることをやっていきたい。

どうしても雨の多い日本ではどうしても病気の対策に農薬量が多くなってしまう。防除などの作業時間も増え経営も圧迫されるのですが、

それを解決してくれる雨除けハウスには未来があると思っています。